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『幸せすぎるおんなたち』雀野日名子=著 [読書]

幸せすぎるおんなたち あるきっかけで読む事になったこの本、実はホラー小説でした。この小説は日本のムラ社会を舞台にしていて、女性は共同体や男の従属物とし描かれています。ホラー小説と言っても、とてもリアルです。今の田舎にありそうなと思うと、言い知れぬ恐怖を感じます。私はホラー映画も好きで結構見ているのですが、この小説で描かれる恐怖は最大級でした。余りに現実過ぎて、怖いのです。官僚、政治家等が一体となってとんでもない悪法が成立した日本、きっとこの国自体がホラー小説の題材になるでしょう。

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『原発ホワイトアウト』若杉冽=著 [読書]

 現役キャリア官僚が書いた「内部告発」小説です。勿論、著者名はペンネームです。
 11月16日の東京新聞「こちら特報部」で著者のインタビュー記事が載っています。政治家、官僚、電力業界の売国奴ぶりが良く解ります。国や国民の利益を最重要課題として考えるべき人間たちが、真逆の事を。このような政治家を選んだ国民をも断罪しています。著者は最後に、フクシマの悲劇に懲りなかった日本人は、今回の新崎原発事故でも、それが自分の日常生活に降りかからない限りは、また忘れる。喉元過ぎれば熱さを忘れる。日本人の宿癖であった。歴史は繰り返される。しかし、二度目は喜劇として。と書いている。
 この小説を読むと、ますます暗い気持ちになってしまいます。他にも秘密保護法案、NHK人事、福祉の切捨てと悪事ばかりです。16日の東京新聞「デスクメモ」を添付しました。是非、読んでみて下さい。

東京新聞デスクメモ小説「原発ホワイトアウト」

『私のフォト・ジャーナリズム』 長倉洋海=著 [読書]

 テレビを観るのは受動的で、ラジオを聴くのは能動的と言われるように、動画(テレビ等)と写真の関係も同様に思います。ラジオを聴くのと写真を見るには、想像力が必要です。
 著者の長倉洋海は、この著書の中で「私たちは、目の前の出来事をいかに広く感じとり、固定されたイメージをどう自由に解き放つことができるだろうか。写真はたった一つの答えを出すためのものではない。様々な見方を提供し、時には立ち止まって、じっくりと考えるためのきっかけを与えてくれるものだろう。見る側だけでなく、撮る『私のフォト・ジャーナリズム』側にも想像力が加わった時、写真はいまよりも、もっと豊かに、前よりも深く、そして、新たな輝きを放つのではないだろうか。それは、時間が経てば見向きもされなくなるものではなく、歳月を経ても何かを訴えかけてくるもの。いつ見ても新たなメッセージが感じられ、希望が湧いてくる写真につながっていく。そんな写真こそを、私は撮りたいと念じている。」と書いています。
 また、世界中の貧困や戦場で撮影中も「何故写真を撮り続けるのか」と自問し続けています。この問いの意識を持たずに写真家としての存在はありえないでしょう。
 最近テレビに「戦場カメラマン」と言う芸人が出ていますが、私は当初、これは芸人だと思っていました。本職がカメラマンと知り、あまりの偽善性と軽薄さに驚きました。今あなたがすべき事は、テレビに出演することではないはず。このカメラマンは、たぶん沢田教一、石川文洋、ロバート・キャパ等の本を一度も読んだことがないのでしょ。 
 この本『私のフォト・ジャーナリズム』は、フォト・ジャーナリズムだけでなく新聞、TV等ジャーナリズム全般に警鐘を鳴らしています。著者の優しい人柄が感じられ、たくさんの人達に勧めたい一冊です。

「天空の星たちへ 日航123便 あの日の記憶」青山透子=著 マガジンランド [読書]

 今年の夏は猛暑だったために、冬と同様にクライミングジム通いと自宅に閉じこもり読書三昧でした。かなりたくさんの本を読んだのですがその中で印象に残ったのが天童 荒太「悼む人」、小倉寛太郎「自然に生きて」、吉野 信「ロッキーが呼ぶ」と今回取り上げた青山透子「天空の星達へ 日航123便 あの日の記憶」です。
 この著書は1985年8月12日に起きた日航ジャンボ機墜落事件で亡くなった客室乗務員の同僚であった著者が、その経験と二次資料の詳細な検証から事件の真相を追究した力作です。日航の客室乗務員だった著者の、この事故で亡くなった同僚への思いが伝わってきます。
  私もこの事故には、発表されない真実が別にあると以前から確信していました。この著書を読んで、やはり私の見方は間違っていなかったと言う思いにいたりました。この事故に関わりあった者の中には、必ず真実を知る者が居るはずです。いつの日かその中の一人でも、良心に従って真実を語る人が出てきてほしいものです。「自然に生きて」の著者小倉寛太郎
さんは、映画『沈まぬ太陽』の主人公のモデルとなった方です。是非、この二冊を併せて読んでみて下さい。
 私は航空機を使って60回以上海外に出かけていますが、JALに乗った事はありません。以前からJALの運行には問題があると思っていたからですが、この著書を読んで、やはり今後もJALには絶対に乗らないという思いを強くしました。

またまた読書 [読書]

「管制官の決断」加藤寛一郎著  
 飛行機好きな私にとっては興味深い一冊でした。著者は工学博士で航空機に関するたくさんの著作を持っていますが、この本は過去の航空機同士の衝突事故やニアミスを管制官の立場から取り上げています。チョッと難解な専門用語が出てきて読みにくさを感じる部分もありますが、興味深く読めました。管制官は一国一城的な仕事だそうで、インタビューの中で「管制とは碁や将棋と同じです。いろいろな局面で、次の一手を指すことです」と管制官は答えています。航空機の乗客の命は、管制官の一手に握られていたんですね。少なくとも私の乗った機だけは、間違った一手を打たないように祈りたい気持ちになりました。

「いまどきの常識」香山リカ著
精神科医で大学教授の著者は興味を引かれる本をたくさん書いていますが、まずはこの本から読み始めてみました。
 今時の世間の常識と言われる六つの事柄について、検証しています。「常識」と言う物が世間一般の大勢だとすると、マスコミの報道を鵜呑みにする国民性から考えてこの六つの常識について私の意見は著者と同じ立場になります。多様性を認め、異なる意見を受け入れられる社会にならない限り日本に民主主義が根付いたなどと言えませんね。それは、とても遠い事のように思えます。

「分裂するアメリカ社会」(その宗教と国民的統合をめぐって)堀内一史著
著者は麗澤大学の教授でアメリカに長く居住し、宗教と政治や文化とのかかわりを研究し、たくさんの著作を持っています。おかたい本のように思われますが、解り易く興味深く読むことが出来ます。
 この本に興味を引かれたきっかけは、テレビのドキュメンタリー番組を観たことでした。それは、来年に迫ったアメリカの大統領選挙と宗教団体との関係についてのドキュメントでした。
 この本からは、アメリカの建国の歴史、暗殺され、また今世紀最高の評価の演説をしたキング牧師、そして歴代の大統領と宗教の関係を知る事ができます。特に、ブッシュ大統領を動かす宗教の関係やイラク戦争と宗教の係わりについて興味深く読むことが出来ました。キリスト教の聖書の解釈では、戦争の肯定と否定の両方があるそうです。アメリカ人の97パーセントはキリスト教徒だそうですが、近年宗教と多様性が進むとともに宗教的寛容性が高まってきているそうです。
 この本を読み終えて、97パーセントがキリスト教徒のアメリカで宗教の何たるかに疑問を投げかける映画「ミリオンダラー・ベイビー」を作ったクリント・イーストウッド監督の真骨頂にあらためて感動しました。


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久し振りに読書 [読書]

 久し振りにまとめて小説を読破しました。読書も楽しいですね。今回読んだ本はどれも引き込まれように読みふけってしまいました。こんなことはここ暫くの間無かった事で、改めで読書の面白さと楽しさを味わいました。

「大本営が震えた日」、「深海の使者」吉村昭著 吉村昭と言えば「戦艦武蔵」等の太平洋戦争を題材にした多くの作品でしられていますが、この二冊も同様です。
 その他には、黒部ダム建設を題材にした「高熱隧道」や巨大な熊との戦いを描いた「熊嵐」を思い出します。山好きな方ならきっと読んだことがあるのではないでしょうか。どれも昔読んだ本ですが、徹底して自分自身の足による取材のみによって書かれた文体は、事実のみによって語ろうとする著者の思い入れが感じられ、どれも引き込まれるような感動を与えてくれました。

「午後の行商人」船戸与一著 船戸与一は私が大好きな作家の筆頭で、現代史や人類学、地政学等もちろん現地取材を駆使した作風はただ単に冒険小説とは思えない迫力を与えてくれます。ただ、今回読んだ「午後の行商人」は他の作品に比べ結末を急ぎすぎた感があるのと、背景の設定に船戸らしさが感じられませんでした。やはりかなり前に読んだ「血と夢」の鮮烈な印象が今でも残っていて、それとどうしても比較してしまいます。

「登山の法律学」溝手康史著 「岳人」の連載に加筆されて出版。山登りやクライミングの事故責任は基本的に本人にあると言うことがよく解ります。山屋さんやクライマーの方は、自分を守るためにも一読をお勧めします。


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